君を愛してる 〜だから死にたい〜
 砂稀は俯いて肩を震わせる。

 頼むから――

 頼むから泣かないで……

 砂稀の涙は何よりも痛いんだ――

 「ふふっ……」

 「ふふ?」

 「どうして、私はあの時気付かなかったんでしょうね……」

 砂稀は泣いていたのではなく、笑って肩を震わせていた。

 「気付かなかったって?」

 「だって一稀さんは……こんなにも嘘をつくのが下手なのに――」

 ウソヲツクノガ――

 ヘタナノニ……?
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