君を愛してる 〜だから死にたい〜
 電気はついていない。



 ダメだ――

 遠からず死ぬ俺に砂稀を幸せにする事は叶わない……

 でも――

 側に居たい……



 砂稀の部屋の電気が付き、カーテンが開く。

 俺は反射的にカーテンを引こうとして手をかけた。

 「一稀さん!」

 一瞬早く砂稀が窓を開けて俺を呼んだ。

 「……」

 「私の事……嫌いですか――?」
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