君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「嫌い――になれたらいいのに……な」

 何度思っただろう、

 『嫌いになれたら』

 しかし、意に反して砂稀への想いは募るばかりだった。

 「好きに決まってるだろ――砂稀……愛してる。だから――」

 死にたい……

 この想いが砂稀を死なせてしまう前に――

 「だから――なんですか?」

 「一緒に死んでくれるか?」

 「もちろん――喜んで……」

 そう言って砂稀は幸せそうに微笑んだ。
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