君を愛してる 〜だから死にたい〜
 その日の学校帰り、俺は聡の人生初の彼女と出会った。

 俺と聡は家が近所なので、どちらかに用事がある時以外は一緒に帰る。

 「今日デートするんだぜ、デート!」

 「はいはい」

 「気のない返事だなぁ」

 「そりゃあ、どうでもいいからな」

 「はっきり言うなよ!」

 夏休みが終わったからと言って、急に涼しくなるわけでもない。時計は午後4時を回っているのにも関わらず陽射しは一向に衰えを見せず降り注いでいる。
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