君を愛してる 〜だから死にたい〜
 よろめく様にフラフラと帰って行く聡を見送った後、帰宅した俺は意外な人物に迎えられた。

 どうやって家を知ったのか、まだ冷めやらぬ夏の陽射しを受けて、その子は門を背に立っていた。

 「聡子ちゃん……?」

 俺の声に振り向いた聡子ちゃんは深々と頭を下げて言った。

 「突然すみません、一稀さんに相談したい事があって……」

 「いや……まあ別にそれは構わないけど、今日聡と会う約束してたんじゃないの?なのになんで――」
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