君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「お邪魔します……」

 「お帰りお兄ちゃん」

 ちょうど玄関の目の前にある階段から降りて来た妹に出くわした。

 「ただいま美希」

 「あ、お客さん?初めまして、兄がお世話になってます。妹の美希です」

 「あっ、は、初めまして、真嶋聡子です」

 俺は美希の横を抜けて階段を昇る。

 すれ違い様に美希が囁いた。

 「お兄ちゃん!彼女?」

 俺は昇りながら

 「ああ、聡のな」

 と、答えた。
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