君を愛してる 〜だから死にたい〜
 今まで会った人間を、一人残らず記憶している人間なんていやしない。

 てゆうか俺は忘れてる方が多いし。

 「あー!!!!」

 俺は絶妙なタイミングで叫んだ。

 「な、何よ?」

 「わかった、わかった。やっぱり会ったことあるよ!覚えてない?マリちゃん」

 北国美人は困ったような顔をして考え込む。

 「私?ナツミじゃないの?」

 今度は北国美人が南国美人、白いバレオに振る。

 「私はないわよ、多分……」
< 5 / 241 >

この作品をシェア

pagetop