君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「どうした?」

 美希は俯いていて顔がよく見えなかった。

 「どうして……」

 「え?」

 「どうして『好きだ』って言ってくれないの?」

 産まれたままの姿になっている美希の白くて細い肩が小刻みに奮えていた。

 「嘘でも――口先だけでも良いのに……それだけで私は何でも我慢する――彼女になれなくても、結婚出来なくても、彼女が出来ても……全部我慢するのに……」

 「美希……」
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