君を愛してる 〜だから死にたい〜
 俺はその背中を見ながら、聡子ちゃんに会いに行こうと思った。

 放課後、聡に聡子ちゃんの学校を聞いて、その足で行ってみる事にした。

 「ここか……しかしよりによって何でここなんだ」

 聡子ちゃんの学校は隣町の、有名私立女子校だった。

 俺は校門を背にして、学校を終えて出て来る生徒達を注意深く見ていた。

 「あ!」

 聞き覚えのある声が耳に届き、見覚えのある顔が迫って来る。

 「げっ!」

 体を反転させて立ち去ろうとする俺は後ろから抱きつかれた。
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