君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「聡、違うんだ!たまた――」

 俺は聡に睨まれて口をつぐんだ。

 短い付き合いではない、聡が本気で怒っている時の目――

 「たまたま――なんだ?たまたま聡子がお前の家から出て来る理由でもあるのかよ?」

 「聡やめて!!一稀さんは悪くないの!私が勝手に押しかけてただけなの!」

 聡子ちゃんは必死な声で叫んだ。だが聡は何も反応しない。

 「聡――すまん……」

 俺が口に出来る言葉はそれ以外になかった。
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