君を愛してる 〜だから死にたい〜
 そしてきっかけを作ったのは美希の何気ない一言だった。

 あれから二週間程たったある日の事、学校帰りに聡が家に来た時に階段で美希とすれ違った。

 「いらっしゃい聡さん、久しぶりですね」

 「ああ、美希ちゃん、相変わらず可愛いね」

 「もぉ、聡さんったら……お世辞なんて言っても何も出ませんよ?」

 「いや、ほんとだよ。お世辞じゃないって」

 「ほんとですかぁ?まあ、一応信じてあげます」
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