君を愛してる 〜だから死にたい〜
 美希は手にしていた携帯電話を開き、少し操作をしてから受話口に耳を当てた。

 「あ、先輩?美希ですけど、聡子先輩の入院してる病院って何処かわかりますか?」

 三度ほど頷きながら返事をしてから

 「ありがとうございました」

 と、言って美希は電話を切った。

 「お兄ちゃん、病院わかったよ。隣町の総合病院だって」

 「わかった」

 俺は短く返事をして、昇ったばかりの階段を駆け降りる。
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