君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「ありがとっ美希ちゃん」

 聡も俺に続いて階段を駆け降り、俺達は玄関から飛び出した。

 太陽が容赦なく俺達頭上から熱を浴びせる、しかし気にもとめずに駅へ走った。

 駅に着いた時には俺も聡も肩で息をし、顎から汗が滴り落ちていた。

 それを拭く事もせずに、ホームに入って来た電車に乗り込んだ。

 「聡、お前も何も知らなかったのか?」

 扉のすぐ横の椅子に座りながら俺は聞いた。
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