君を愛してる 〜だから死にたい〜
 俺達は停車した電車の扉から降りて、改札を出て駅の出口の外に停まっていたタクシーに乗った。

 「どれだけ時が流れたって美里とお前だけは一目でわかる、『美里』って呼ぼうとした時美里は俺達に言ったんだ」

 病院は意外に駅の近くにあったらしく、5分も経たずにタクシーは病院の前に緑の車体を寄せた。

 料金を払い、降りながら聡は言った。

 「初めまして『真嶋 聡子です』ってな……」

 タクシーを降りた俺達は病院の自動ドアをくぐり抜け、受け付けへ向かった。
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