君を愛してる 〜だから死にたい〜
 「真嶋聡子さんですね、いらっしゃいますよ。302号室です」

 「ありがとうございます!」

 俺達は礼を言ってから、走らない様に気をつけながら急いで病室に向かった。

 『真嶋聡子』

 302号室のネームプレートには確かにそう書かれてあった。

 部屋は個室の様でネームプレートは一枚掛かっているだけ、無機質な白いドア。開けやすいように引き戸になっている。

 俺達は顔を見合わせて、ドアをノックした。

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