君を愛してる 〜だから死にたい〜
 そんな俺を余所に美里は言った。

 「ごめんね、でもほんとにたいしたことないから心配しないで」

 そう言いながら微笑んだ美里の顔が14年前の美里に重なる。

 あの孤児院から離れた日の泣きじゃくっていた美里の顔に……

 「聡子、こちらの方達は……?」

 俺はその言葉で、初めて美里のベットの脇に女性が立っていた事に気が付いた。

 「あっ!ごめんなさいお母さん、こちら前に話した亜河一稀さんに間島聡さん」

< 98 / 241 >

この作品をシェア

pagetop