◆~恋色模様~◆
.★*゚りんご模様゚*★.
★朱里中1★
中学に上がるとき、住み慣れた町を離れて今住んでる町に引っ越して来た。
幼い頃から人と交わるのが苦手な私は、もちろん友達を作るのも苦手だった。
だから正直引越しなんてしたくなかった。
お父さんとお母さんはそんな私を私を心配してか
「朱里が嫌なら父さん単身赴任でもいいぞ」
と言ってくれたけど、私から見てもお父さんもお母さんもお互いを必要として生活していたし、
引っ越す予定の町はお母さんが前から住みたいと言っていた町だった。
本当は、本当に嫌だった。
でも私のせいでお母さんにもお父さんにも迷惑をかけるのはもっと嫌だったし、
家族3人でいられることは何より私の支えだったから、結局引っ越すという選択肢を選んだ。
お父さんもお母さんも心配そうに
「本当にいいの?」
と聞いて来たけど、私は “うん” の2文字しか言わなかった。
後悔していた。
すごく、すごく。
なんで引っ越さなきゃならないの?
と――…。