秘密な時間
「うわ~、きれい…」
「きれいだろ?でも今までの俺はこんなのくだらないと思ってた」
「…なんでですか?」
「あの教習所に来る奴らは人を外見や噂だけで全てを判断する奴らばっかりだった。俺はそれが本当は嫌だった。
…教える立場だからな。多少嫌われるのはしょうがないと最初は思ってた。
だけど、だんだんその状況に苛々しはじめたんだ。正直辛かった。
だから、この景色の外側だけの美しさも嫌いだった。実際、街に行けば悲しい思いや辛い思いをしてる人達がいるんだ。
そう思うとこの景色が汚く思えた。そんな人達を隠して自分だけ輝いているなんて汚すぎる」