僕はあなたの狗だから
里奈は苦笑いだった。


「そっかぁ…好きとかじゃないんだ。」

「当たり前でしょ。」


その後も里奈とのくだらない会話は続いた。



「ねぇ、ノン。もしも私が…」


里奈はそこで言葉を止めた。

「なに?」


「もしもね、もし私が昌史のこと好きだったらどうする?」


私の中の時間が一瞬止まった。


…!?


「里奈って昌史が好きなの!?」



「う…うん…。」


開いた口が塞がらなかった。


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