お風呂の神様!
◆2◆
『イチル、あんた、冬休みにバイトする気ない?』
『んあ〜?』
放課後の教室。
下校時の喧騒が修まるのを待って、イチルは机に弁当を広げた。
見計らった様に、幼馴染みで同じクラスのミスズと、その女友達二人が『私たちも〜』と言いながらお弁当をぶら下げてやって来た。
クラスメイトはほとんど帰って行った。
何時もイチルと一緒に帰る友達も今日は家で昼飯食うからと、先に帰った。
残っているのはテストの答え合わせをしている数人と、まったりお喋りしている人達だけだ。
『んあ〜?じゃないでしよ?バイトする気あるかって聞いてんの』
ミスズは気が強くて口があまり良くないが、のんびり屋のイチルと馬が合う。
一緒にいると『夫婦』とからかわれ、ミスズはキーキー怒っているが、イチルは近い将来ミスズを嫁に貰う事になるんじゃないかと思っている。
『イチル、聞いてんの?』
『あー、オレ無理だわ。ちび子達の面倒見なきゃいけないから』
イチルには小学4年生になる双子の妹がいる。
父子家庭。
母が亡くなってから、イチルを中心に家の事をやってきた。
最近は妹達も簡単な料理や縫い物を出来るようになり、イチルはとても助かっている。
『そうだよね〜、カノンちゃんとシオンちゃんがいるもんね。』
事情を知っているミスズはサンドイッチを頬張りながら眉をしかめた。
『オメーがやればいいんじゃね?』
それを聞いたミスズは、軽く溜め息をついた。
『募集してんの男子なんだよね、女子もいいならアタシ行くのに…』
『ああ、わたしも超行きたいなぁ…』
隣でおにぎりをかじっていた女子も、ちょっぴり悔しそうな顔をする。
『行くって何処に?』
イチルが何気無く聞いた質問に女子三人が声を揃えて答えた。
『雪山温泉』
『えっ!?』
イチルの動きが止まった。
『イチル、あんた、冬休みにバイトする気ない?』
『んあ〜?』
放課後の教室。
下校時の喧騒が修まるのを待って、イチルは机に弁当を広げた。
見計らった様に、幼馴染みで同じクラスのミスズと、その女友達二人が『私たちも〜』と言いながらお弁当をぶら下げてやって来た。
クラスメイトはほとんど帰って行った。
何時もイチルと一緒に帰る友達も今日は家で昼飯食うからと、先に帰った。
残っているのはテストの答え合わせをしている数人と、まったりお喋りしている人達だけだ。
『んあ〜?じゃないでしよ?バイトする気あるかって聞いてんの』
ミスズは気が強くて口があまり良くないが、のんびり屋のイチルと馬が合う。
一緒にいると『夫婦』とからかわれ、ミスズはキーキー怒っているが、イチルは近い将来ミスズを嫁に貰う事になるんじゃないかと思っている。
『イチル、聞いてんの?』
『あー、オレ無理だわ。ちび子達の面倒見なきゃいけないから』
イチルには小学4年生になる双子の妹がいる。
父子家庭。
母が亡くなってから、イチルを中心に家の事をやってきた。
最近は妹達も簡単な料理や縫い物を出来るようになり、イチルはとても助かっている。
『そうだよね〜、カノンちゃんとシオンちゃんがいるもんね。』
事情を知っているミスズはサンドイッチを頬張りながら眉をしかめた。
『オメーがやればいいんじゃね?』
それを聞いたミスズは、軽く溜め息をついた。
『募集してんの男子なんだよね、女子もいいならアタシ行くのに…』
『ああ、わたしも超行きたいなぁ…』
隣でおにぎりをかじっていた女子も、ちょっぴり悔しそうな顔をする。
『行くって何処に?』
イチルが何気無く聞いた質問に女子三人が声を揃えて答えた。
『雪山温泉』
『えっ!?』
イチルの動きが止まった。