Honey Jewel~密な関係~
「凜さんが見つかったのは、凜さんの自宅の裏庭でした」
「裏庭・・・」
「凜さんのお家は国内で1番のシェアを誇る、電子機器会社の社長の一人娘でした」
「お金持ちだったんですね」
「ええ。それ故に社長も忙しく、遊んでくれたりはしてくれなかったそうです。凜さんが亡くなってから悔やんでいました。そして、凜さんはその悲しみを紛らわすために、裏庭にたくさんの花を植えました」
「花・・・・」
私もそうだった。
小さい頃、お父さんは仕事が忙しくて遊んでくれなかった。
私も自分の家の花壇に大好きなひまわりを植えて、夏になるまでワクワクして水やりをしていた。
「種類は色々でした。綺麗でしたよ。夜になると、月明かりに照らされて」
「そ・・・だったんですか」
お金持ちだからって何でも幸せってワケじゃないんだ。
むしろ、貧乏よりも悲しい現実を乗り越えているのかもしれない。
それに、愛している人が自ら命を絶っている。
こんな事実、私は耐えられない。
「凜さんが亡くなってから、コウキ様は家に帰ってこなくなりました」
「そうとう・・・遊んでらっしゃったんですね」
「ええ。妊娠した女性、私のことどう思ってるのと門の前で泣き叫ぶ女性。様々でしたよ」
「・・・・コウキくん・・・・」
可哀想
なんて言葉で片付けたくない。
可哀想じゃない・・・・。
なんて言葉が彼に当てはまるのだろう・・・。