恋する少年 3rd


つぶっていた目を薄く開けて、
ケータイをいじってる勇作に目を向ける。



ケータイの画面に向けていた視線を俺に合わせたかと思うと、またすぐにそらして、


「あれだよ。いつもの」


の、言葉で俺の眉間は皺がより、



「まぁた、告白?
今月、何回目だよ!?」



だらしなく座ってた椅子から勢い良く立ち上がった。



雄大は、入学してわずか2ヶ月にもかかわらず、月5ぐらいの勢いで告られてる。



なんでだよ!


アイツ無愛想だぜ!?

つか、しゃべんねーぜ!?

付き合ったとしても、
彼女の事ほっときそうじゃね!?




絶対俺のが、
絶対かまってやるし、優しくするのに・・・




馬鹿みたいに雄大に対抗してると、
ぐらぐらと視界が揺れる。



「おい、祐次。
なんかくらくらしてっけど、大丈夫か?」


「ゆうさっクン、優しいネ」


「おい、マジでどした?
お前おかしい。保健室行け」


「え? サボり?
俺にサボんの勧めんなよー」



「あほか! さっさと行け!!」




押し出されるように教室から出される。


< 12 / 42 >

この作品をシェア

pagetop