恋する少年 3rd

またあさひは返事しなくて、
まっすぐ前を向いたまま俺を見ようともしない。




なんか、調子狂うな････



目線を肘においてるあさひの手にやり、頭をぼりぼり掻く。



そのとき、あさひの手に１粒の水が落ちてきた。




は･･････？






ゆっくりと視線を元に戻すと、



「ちょっ、何泣いてんだよ！」



あさひの頬から次々と涙が落ちていた。



え、ちょ、はぁ！？



俺は別に何もしてないのに、
泣いてるとこを見たらやたらと焦ってしまう。



「おいっ、なに泣いてんだよっ。
なに？　腹でも痛いのか！？」



「なんでもない」


乱暴に涙を拭いて、
赤い目をさせながら必死に涙をこらえている。



なんでもないって･････





「絶対なんかあんじゃん」





顔を覗き込むと、顔をそらされる。