恋する少年 3rd
「祐次の馬鹿!
もう、知んないからね!!」
「るっせーな!
勝手にしろアホあさひ!!」
舌をベーッと出しながら、
教室から出てったあさひ。
彼女の佐伯 あさひ。
2月某日。
たった今から、
ケンカの真っ最中になった・・・・・
理由はよくわかんねぇ。
なんかいきなりキレた・・・
なんで!?
「はぁあああ・・・・」
あさひは、俺の事そんなに好きじゃなくなってんのかな・・・・・・
大っきい溜息をついて、
付き合い始める前の事を思い出していた。
俺とあさひはケンカばっかで、
なんでだかそんなあさひに惚れちゃったんだよなぁ~・・・
出会いは入学式だった。
約2年前・・・・・・・
俺はまだ、この高校に入学しだばっかりの頃。
* *
「ほわ~。なんかめちゃくちゃ緊張する!」
まだ真新しいネクタイと、
真っ白なカッターシャツを掴みながら
サクラ景色の中にある校舎を見上げる。