恋する少年 3rd
俺の腕から逃れようと、
肩を押していたあさひの手が止まった。
「どうでもいいって言うんなら、
もう絶対に泣いたりするな」
ひどいこと言ってるって、
俺でもわかるよ。
でもここでちゃんとしなきゃ、
あさひはもう2度と恋をしなくなると思った。
何でそんなに強がるんだよ。
何でそんなに抱え込むんだよ。
何で泣くの我慢するんだよ・・・・・
抱きしめてる腕から、
あさひが小さく震えてるのがわかった。
「どうでもよくなんかないよ・・・」
腕の中から聞こえる涙声。
その声を聞いたときから、
やけに頭痛が酷くなる。
「好きなの。本当は、大好きなの・・・・
今だって、大好きなのぉ~」
「ん・・・・・・・」
心臓の音にあわせて、
こめかみに刺すような痛みが走る。
「別れたくなんかなかったぁ・・・・・」
小さく叫んだあさひの声を聞いて、
さらに頭痛が酷くなる。
“そんな奴、さっさと忘れろよ”