恋する少年 3rd
だってまともに風邪ひいたことないんだから知らねーじゃん?
言い返すにも喋る事がめんどくて、
額に手を当てたままあさひから目をそらした。
そしてその手を下にずらし、
目の部分を覆う。
今思い出した。
何抱きついてんの、俺!
倒れる前に、
自分がしたことを思い出して赤面。
いや、熱あるから顔は赤いと思うんだけど。
慰めるため?
可哀相だから?
元気出そうと思って?
それでもやっちゃイカンだろ!!
「ありがとね」
目をつぶりながら自分と戦う俺に、
小さな声であさひが言った。
「は・・・・・・?」
顔をあげると、うっすらと赤い顔のあさひ。