恋する少年 3rd
少し微笑みながら俺を見てる。
ってか今あさひが言った?
「お前お礼とか言えんだ・・・・」
「あんたあたしのこと
なんだと思ってんのよ・・・・」
独り言のつもりだったのに、
突っ込まれて布団にもぐりこむ。
「うるせぇやい」
ちょっと恥ずかしくなって、
あさひに背を向けて寝転ぶ。
あれ別に素で言ったわけじゃねぇし!
「あたし、あんたに言ってよかったかも」
「あ?」
「ちょっとすっきりしちゃった」
「よかったねー」
「なんでそんなに適当なの」といいながら布団にもぐっている俺の頬に何か細いものを刺してきた。
目だけを出すと、体温計。
「測ったら? 下がってるかもよ」
無言でそれを受け取り、
シャツのボタンを開けてわきの下に入れた。
「じゃあ、あたし行くから」
そう言ってあさひはさっさと
保健室から出て行ってしまった。