恋する少年 3rd
その子は俺より小さくて、
痛そうに頭を押さえてる。
そういえば、
なんか手に当たったかも・・・・・
出て行くときの手の感じから、
俺が無意識に殴ってしまったらしい。
そう気づいたときには、俺の頭から血の気が引いた。
「ゴメン! 大丈夫?」
下を向いているその子の顔を覗き込みながら、俺なりに必死に謝る。
やっべーよ。
女の子殴っちゃったよ・・・・
しかも、無反応だし・・・・
おぉーいっ!!
「ほんとにゴメンね?」
しびれを切らして、
もう一回謝ってみる。
「・・・・・・・・よ」
「へ? なんて!?」
やっと帰ってきた返答は、
小さすぎる声で聞き取れなかった。
「うおっ!」