恋する少年 3rd
イライラした表情のまま後ろを振り返ると、硬派な感じの男。
なんだ? こいつ・・・・
いきなり声を掛けられても、
この学校での友達は少ないわけだから・・・・・・・うん。
「全っ然! つーかむしろ知り合いたくない!」
声掛けてくれたら嬉しいんだなぁ~
俺がそう言うと、
一瞬びっくりした顔をして、
「まじ? じゃあ、初めて会ったのにあそこまでケンカしたのかよ?」
腹を抱えて笑い出した。
一見冷めてるような奴だけど、
少し話をすればいい奴なんだと思った。
にっと笑ってそいつの背中を軽く叩く。
「なんだよ~! そんなに笑うなよ!」
「ははっ! ごめんごめん。
まだ名前言ってないよな?
木下勇作。第5中から来た。よろしく」
「笹川祐次! 第3中! よろしくな」
教室に行くまでの間勇作と話しをしていると、
同じサッカー部だとか。
同じ中学から着た奴少ないとか。
同じクラスだとか。
色々重なる点がたくさんあった。
玄関から教室に行くまでの距離でなんだかすごく仲良くなれた気がした。
「お。3組あった」
勇作の声に顔を上げると、
【1―3】と書かれたプレートが目に入る。
俺が見上げているなか、
勇作が教室の扉を開けようとした
そのとき。