恋する少年 3rd



おかしい・・・・・よな?


だってこいつ、新入生だろ。
なんで入学式の日にこんなに荷物いっぱいなんだ?


しかも、紙?


1枚のプリントをぴらぴらとそいつの前で振ってみせる。


ジッとそのプリントを見つめていたそいつは、俺の顔を見つめると




「渡されたんだ」



と言って俺に底の破れた紙袋を渡してきた。


「なんか新入生のプリントみたいで、
職員室の前通ったら机の上置いてって渡された。

で、運んでたら底が破れて落ちた」



なるほど。

紙袋を見つめながら納得。




俺がしげしげと紙袋を見つめていると、



「俺、木下勇作。お前何組? 名前は?」



と、勇作が聞いていた。
勇作の問い変えに俺もそいつの方を向く。



「俺は、笹川祐次」



友達は多いほうが楽しいからな。


ゆっくりと口を開いたそいつは、


「田中雄大。1年3組」


と、またかっこよく言ったんだ。






そしてこれが、
俺と勇作、雄大の3人の出逢いだった。

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