キラキラ☆サン ビーチ
そりゃさ、今まで何の出会いも無かったけど、もしかしたらこの夏は何かいい出会いがあるかもしれないじゃん。


―――― 結局はバスケ部のマネで終わりだけどさ。



「愛川にイケメン彼氏とか似合わねぇよ」


「いいじゃん、夢見るくらい」



誰だって夢見るくらいは自由だ!

桐谷に止める権利は無い。



「好きでもないやつに告白されたら付き合うのか?」


「それはないよ。
あたしだって相手をみるよ」


「だったら…」


グイッと引っ張られた左腕。


その瞬間、右手に持っていた線香花火がポトッと地面に落ち、辺りは真っ暗。


桐谷との距離は数センチ。


少しでも動いたら当たっちゃう……



「だったら、他のやつじゃなくて……


――― 俺を見て」


そう言って、桐谷の柔らかい唇があたしの唇にそっと触れた。







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