明日への扉
「あのさ…」




「…へっ?」



一人で考えを巡らせてる時、不意に篤史の声がして、間抜けな返事。




「今年は、チョコ作んないのか?」




「チ、チョコ?! チョコって……バレンタインの?」



「そう。」




真面目な顔で聞いてくるから、思考回路が追い付かない。




えっと… まさか…



………催促?




「今年は受験もあるし、手作りは止めようって。 渡す人がいるのも純ちゃんだけだし。…なんで?」




「…ヒロが毎年もらってたチョコ、石川たちが作ってたって聞いて…。スンゴイ旨いって。…今年余ったら、食わせてくれねーかなって…」



頭をポリポリかきながら、ポツポツ呟く。






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