明日への扉
そんな顔を見たら


作ってあげたいって


一瞬、思った。




でも…




やっぱり無理だ。




いくら余りだといっても、チョコを渡すには相当の勇気がいる。




私には、やっぱり出来そうにない。





どうしようもない、弱虫だよ…









「じゃあ、来年な。」



ホームルーム終了と共に、篤史がこっちを向いた。




「えっ… チョコの話?」



「そう。」



「だって… 高校生になるんだよ。合格するかも分からないのに。」




「…絶対合格する。受かってみせる!」



真剣な顔で、自分に言いきかせる様に呟いて、立ち上がった。



「お前も、落ちるなよ!」



ニヤッと笑い、カバンを掴んで離れていった。







< 102 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop