明日への扉
点滴が終わる頃、咳も随分治まった。





「合格発表、あった?」



先生が針を抜いてくれる。



「まだ。来週なんだ。ドキドキだよー。」



「希ちゃんなら大丈夫でしょ。 秀才だもん。」




フフッ… ヘヘッ…



二人で笑いあう。









「…ね、先生。」



針を抜いた所を押さえながら、ゆっくり口を開いた。



「ん?」




「私の喘息、治る時が来るのかな…」




ずっと、不安に思ってること。





小学生の頃より発作回数は減ったけど、完全にはなくならない。




一生、この発作と付き合わなければいけないのだろうか…







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