明日への扉
中学1年

スタート

『キーンコーンカーンコーン』




授業終了のチャイムと同時に、一気に賑やかになる教室。




私はその賑やかさからソッと離れ、廊下に出た。




窓からは、スラリと伸びた麦の穂が揺れてるのが見える。




「また、伸びたなぁ…」




別に、特別麦が好きなわけではない。



教室にいても、楽しくないから。




この中学に入学してから、休み時間に話す人がいなかった。




同じ市内だったけど、家が引っ越しをした。



そのため、小学校の友達が大勢行く中学の校区から外れてしまった。



だから仲の良かった友達と別れる事になり、今のクラスには誰も知り合いがいなかった。






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