明日への扉
完全に一人ぼっちのスタート。



こんな事は初めてで…



人見知りの性格も加わり、誰とも話せない日々が続いていた。



食欲もなくて、お母さんの作ってくれるお弁当も、全部食べられない。




これじゃいけないって、思うんだけど。





どうしたらいいか、分かんないんだ…。










「ねぇ、石川さん。」



先生以外の人に初めて名前を呼ばれ、ビクッとして振り向いた。




太陽みたいなニコニコ笑顔の、女の子。



確か、同じクラスの…





「石川さんって、のぞみって名前なの?」




彼女の名前を思い出してるうちに、重ねて質問された。




「う、うん… 希望の希で、のぞみ。」



「やっぱりそうなんだー! 私の妹も、のぞみっていうの。妹は平仮名だけどね。 何だか親しみ感じちゃうー!! ね、友達になろうよ。 私、川原美穂。 美穂って呼んでね!」




オドオドしてる私とは対照的に、機関銃のように話し続ける彼女。







< 12 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop