明日への扉
乙女たちの日2
「先に行ってて!」
手を振りながら走っていく、加奈を見送る。
「いいね、渡せる人がいて…」
美穂がポツリと呟く。
「…うん…」
私たちは、部室へ向かっていた。
今日はバレンタインデー。
加奈は部活の前に、彼にチョコを渡しに行った。
美穂は、好きな人が今いない。
私は… 渡せるわけがなかった。
階段の下、校舎の裏… 色んな所でチョコを渡す姿を見かける。
「やっぱ、高校生ともなると、みんな積極的だね…」
「うん…」
ピンク色の空気が、あちこちで流れてるけど。
私たちのテンションは、下がる一方だった。
「…あっ…」
急に美穂が立ち止まる。
うつむき加減に後ろを歩いてた私は、彼女の背中にぶつかった。
「なに? 急に。」
ぶつけたオデコをさすりながら、前に出ようとしたら
「いや! 希は見ない方が…」
焦った美穂が、私を押し戻そうとしたけど…
もう、見てしまった。
手を振りながら走っていく、加奈を見送る。
「いいね、渡せる人がいて…」
美穂がポツリと呟く。
「…うん…」
私たちは、部室へ向かっていた。
今日はバレンタインデー。
加奈は部活の前に、彼にチョコを渡しに行った。
美穂は、好きな人が今いない。
私は… 渡せるわけがなかった。
階段の下、校舎の裏… 色んな所でチョコを渡す姿を見かける。
「やっぱ、高校生ともなると、みんな積極的だね…」
「うん…」
ピンク色の空気が、あちこちで流れてるけど。
私たちのテンションは、下がる一方だった。
「…あっ…」
急に美穂が立ち止まる。
うつむき加減に後ろを歩いてた私は、彼女の背中にぶつかった。
「なに? 急に。」
ぶつけたオデコをさすりながら、前に出ようとしたら
「いや! 希は見ない方が…」
焦った美穂が、私を押し戻そうとしたけど…
もう、見てしまった。