明日への扉
「希は、何か部活やってる?」




お弁当を食べながら、美穂が聞いてきた。




「ううん。塾に行ってるから、入れなかったんだ。」





小学校を卒業した時、中学に入ったら学習塾に行く事を、親に約束させられた。




そんなものかと、特に疑問も持たなかったけど…




テニスコートでボールを打ちあう人達を見て、ちょっと残念な気持ちにはなった。




「美穂は、何か入ったの?」



「私は、卓球部。小学校の友達に誘われてさぁー。」




「そうなんだ…」





何だか、取り残された気分。




クラスの中には、何もしてない人が他にもいた。




でも放課後、張り切って教室を出て行く人達を見てると。



ちょっと、うらやましかった。





帰宅部になってしまったのは、ちょっと残念だったけど。




人懐っこい美穂のお陰で、少しずつ友達も増えた。




お弁当も、残さず食べられるようになった。







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