明日への扉
あの勇気は、どこから出てきたんだろう。




あれから数週間経って、フッと考える時がある。



呼び出しを受けたこと、篤史に伝わったのだろうか。



でも、あの後輩くんが、私のことを覚えてるとは思えない。



きっと、ああやって篤史を呼び出す女の子は多いハズだし。


そんなに話題には、なってないはず。






…だと思ってたんだけど。



あれから、篤史の視線を感じる事が多くなった。



廊下で美穂と話してて、何気なく視線を移すとアイツが見てたり。



部活の練習中に、フッと外を見ると、野球部が近くで休憩したり。




まさか… 私を確認しに来たとか?




色々考えすぎて、益々アイツの顔が見られなくなる。




野球部が近くにいたりすると、千佳のテンションも上がる。



私の行動は、千佳の耳には届いてないようで、いつも通り優しく接してくれる。



頬をピンクにして篤史を見つめる千佳を見てると…



嫉妬より、何故か罪悪感が心に広がる。




…苦しいよ。




もう、止めよう。



アイツを目で追うのも、美穂や加奈と話すのも…







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