明日への扉
「篤史ー! 何やってんだよ! ビリになるぞ!!」



山下も大声を出す。




すると篤史は頭をガシガシと掻いて顔を上げ、私たちの方へ向かって走ってきた。




どんどん、近づいて来て…



えっ?





そう思った時、私の手は篤史に掴まれていた。





「なっ、なに?」



訳が分からず、後ずさりするけど


手は、しっかり繋がれている。




「いいから来い! ビリになるだろ!」



強い力で引っ張られ、思わず走り出した。






周りからは、すごい歓声が聞こえた。




応援されているのか、篤史のファンの子にブーイングされてるのか、分かんないけど。





私たちは、しっかりと手をつないでグランドを走り抜けた。








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