明日への扉
他の人たちが手間取っていたお陰で、私たちは二位になった。




「あっ、先輩、お疲れっす。メモを見せて下さい。」


ボウズ頭の男子が、篤史に寄って来た。



今年のゴール係は、野球部らしい。



篤史からメモを受け取った後輩くんは、メモと私たちを交互に見た。



まだ肩で息をしてる私たちを見て、


「はい、オッケーです!」


と、ニヤリと笑った。





まだニヤけてる後輩くんからメモを奪った篤史は、グシャッと握りつぶしてポケットに入れた。






「ねぇ、何て書いてあったの?」



思わず後輩くんに聞いてしまった。




「えっとですねー…」



「言わなくていい! 絶対言うなよ!」



教えようとした後輩くんの声を、篤史が遮った。





「すいません… 先輩の命令なんで…」



申し訳なさそうにペコリと頭を下げ、立ち去ってしまった。






そこまで内緒にされると、逆に気になるんですけど。






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