明日への扉
放課後の学校も賑やかだ。


早く帰ってしまう私は、その賑やかさの中に入れないことが、また寂しくなる。







『ゴトン・・』




数十メートル先に何か白いものが落ちた。



野球の… ボール?




白いユニフォームを着た2人が視界に入り、ボールを拾った人を何気なく見る。



…柴田?




視線を感じたのか、柴田もこっちを見た。そして、こちらに近づいてくる。




うわっ、なに?



ちょっと… ドキドキするんですけど。




下を向いて、バクバクしてる胸を押さえた。








「おい、柴田! 早く戻んないと、先輩に怒られるぞ!」



もう1人の男子の声がする。




そっと顔を上げると、2人がグランドに戻って行く背中が見えた。






「はぁー… 何なのよ。」




いや、別に何も言われてないけどさ…。








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