明日への扉
玄関には、柴田と綺麗なお母さんが立ってた。



「希さん? 今日は本当に、ごめんなさいね。足、大丈夫? ほら、篤史!ちゃんと謝りなさい!」



「…すいませんでした。」



お母さんにポンと背中を押された柴田は、ペコリと頭を下げる。





「大した事ないんですよ。わざわざ来て頂いて、こちらが申し訳ないくらいです。」



「いえ!女の子の大切な体に傷でもついたら… 大変でしたわ。」




お母さん同志は、二人で楽しそうに会話してる。



私と柴田は、ボーッと立つのみ。




これって、お母さん達だけで良かったんじゃないの?




しばらく立ってたら、足が痛くなってきた。




「ねぇ、足痛くなってきた。 座ってもいい?」



お母さんのエプロンを引っ張った。



「まぁ! ごめんなさい! 怪我した方を立たせたままで!」



柴田のお母さんの一言から、ようやく話が切れた。




最後にもう一度頭を下げて、二人は帰って行った。






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