明日への扉
その夜、美穂から電話があった。



リビングの電話のコードを伸ばして、階段に座った。




美穂のチョコは受け取ってもらえたらしいけど、『彼女がいるから』と、付き合うのは断られたらしい。



でも渡せただけ良かった、とスッキリした声だった。



「希も、渡しちゃえば良かったのに!」



そう言ってくれる美穂に、帰りぎわの出来事を話した。



すると、受話器の向こうから、大笑いする声が聞こえる。



「ちょっと、何よ。その大笑い!」



「だってー… それって、もろ焼きもちじゃん!」



まだクックッと笑ってる。


「柴田が沢山の女の子からチョコもらって、それにムカついたんでしょ? 焼きもちだよー!」




「そんなわけっ…」



否定の言葉が、繋がらない。



焼きもち?



私が、アイツに?



うーん……………










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