明日への扉
その後も応援する気になれず、ボンヤリ座って競技を見てた。




最後のクラス対抗リレーが始まり、応援の声もヒートアップしてきた。




アンカーになると、立ち上がって応援してる人もいる。






「ちょっと… めちゃくちゃ速いじゃん…」



私の隣で叫んでた美穂が、急に呟いた。





グングン他を引き離し、一位でゴールしたのは… 柴田。





「柴田のヤツ、一年の時は普通だったのに。 何で二年で速くなるわけ?」



純ちゃんが口を尖らせて、ブツブツ言ってる。







柴田を応援する声は、同じクラスの人だけじゃなかった。




「柴田先輩〜、頑張って〜。」



なんて可愛い声が混じってるのも、聞こえてしまった。




後輩にも、ファンがいるんだ。




はぁ…


また遠い存在になった気がする。





アイツも私の泳ぎ見て、『だせぇー』とか、思ったかな。






うちのクラスは総合3位に入り、みんな喜んでた。




でも私の気持ちは、落ち込む一方だった。









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