明日への扉
そして純ちゃんの誕生日当日。



早めに学校へ行き、保健室の冷蔵庫にババロアを預けた。




今日も、上手く出来たかなぁ…





そして、昼休み。


お弁当を食べ終え、保健室へ直行する。





「うわーっ! 可愛い!」



蓋を開けると、一斉に声が広がる。



白いババロアに、薄くピンクに色づけしたホイップクリームで、バースデーメッセージを書いた。




「おめでとう! 純ちゃん!」



みんなでハッピーバースデーを歌うと、純ちゃんの目が潤んできた。



それを見た私たちも、もらい泣き。



「何みんなで泣いてんの?変よ!」



プッと吹き出した保健の先生につられ、一斉に笑い出した。




最初に食べた純ちゃんの『美味しい!』の一言で、みんながババロアに顔を寄せる。



「先生も食べてよ! 希のお菓子って、ホント美味しいんだから!」



純ちゃんが先生の手を引き、先生も一口。



「これで、みんな仲間だー!」



美穂の声が響いて、大爆笑。






『ガラッ』



ドアの開く音が、した。






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