明日への扉
美穂がババロアを隠しながら、純ちゃんの誕生日だった事を話した。




「こんな事していいのかぁー? でも、うまそうじゃん。」



山下が更に近づいてくる。





「…ちょっと…食べる?」



思いがけない純ちゃんの言葉に、私たちは顔を見合せた。



「いいのか? いただきまーす! ん? うめぇ! 篤史も食えよ!」



そう言われた柴田も、何故か素直に食べた。




純ちゃんの為に作ったのに。何で二人に食べさせるの?




その時、純ちゃんが高らかに言った。



「はい!二人とも食べたから、仲間だよ。怒られるなら、一緒だからね!ここでの事は、秘密にしてもらうよ!」




「……へっ?」



スプーンを持って、ポカーンとしてる山下。




美穂がプッと吹き出し、そこから大爆笑となった。




「何だよー! それ! わざと言っただろ!」



怒る山下に、苦笑いの柴田。







ひとしきり笑った後、みんなで残りを一さじずつ、すくっていく。








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