明日への扉
「川原って、彼氏いるのか?」



「川原って…美穂? えっと…彼氏はいないよ。好きな人はいるけど。…って…えっ?」



まさか……柴田が美穂を??



思わず柴田をじっと見つめる。




「あっ、いやっ! 野球部の先輩が、川原のこと気になってるみたいで。聞いてくれって、頼まれて。」



なぜか慌てて早口になる柴田。



そうか、先輩がね…


って、なにホッとしてるのよ。




「その先輩って、いい人?」



なぜかさっきまでの緊張が解けて、スッと言葉が出た。



「えっ? ああ、すごくいい人。何で?」



「美穂は、ずっと片思いしてて。もしその、柴田の先輩がいい人で、美穂もその気になってくれたら…いいなって。」



「じゃあ…先輩に言っておくよ。」



「うん。うまくいったら、いいなー。」



「…友達に彼氏ができるのが、嬉しいのか?」



「だって大切な友達だもん。幸せになってほしいじゃん。」







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