明日への扉
「できたよ。こんな感じで、どう?」



「いいわねー、ありがと。 後は私で大丈夫よ!」




上機嫌になった母に椅子を譲り、大きく腕を伸ばす。



「そう言えば、あんたにハガキ来てたわよ。台所のテーブルの上。」




パソコンに顔を向けたままの母の声に促され、台所へ移動する。






「……同窓会?」




ハガキは、中学の同窓会の連絡。



私達の通った中学校が、校舎老朽化のため、改築されると言う。



思い出の学舎があるうちに、20年ぶりに集まろうという通知だった。






「ふぅーん…」



ココアを作り、フーフー冷ましながら、ハガキをチラッと見た。






「希ー。あんたの携帯、鳴ってるわよー。」



リビングに戻り、バッグをあさる。





「希? 久しぶりー。元気?」



懐かしい、でもすぐに分かる親友の声。




「美穂? 久しぶりだねー。 どしたの?」






< 7 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop