明日への扉
「うーん…」



私は思わず唸り、良さそうな重りを左へ乗せた。



すると天秤は、柔らかく揺れながら…



ゆっくり、水平になった。



「やったっ!」



小さく叫んで、ガッツポーズ!





その時、


日に焼けた大きな手が、また右の皿に小さな重りを乗せた。



「あっ!」



やっとバランスをとった天秤が、ゆっくり右に傾く。




ちょっとーっっ!



思わず篤史を睨むと、アイツは白い歯を見せて笑ってる。








「よーし、1週間頑張りなさい。」



先生の言葉が、夢から覚める合図のように聞こえて



私達は、スッと離れた。








「ねぇー、2人で何してたのー?」



美穂に、腕を掴まれた。



「別に。私が遊んでたら、邪魔されたのよ!」



不機嫌に言ってみたけど、美穂は笑ってる。





…バレてるよね、美穂には。





ホントは近くに来てくれたのが、嬉しくて… ドキドキして…






アイツには、バレてないよね?







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